和風出汁の取り方
「だしをとる」となると、なんだか難しそう、手間がかかりそう。
というふうにお考えの方も多いと思います。
しかし実際はそんなことはなく、いたって簡単です。
インスタント出汁(だしの素)を使っている方は、
是非一度作ってみてはいかがでしょうか。
手作りすれば化学調味料などが入っていないので安心して食べられます。
煮物や味噌汁、料理に欠かせないだし汁は、
鰹出汁、煮干し出汁の2種類あります。
鰹出汁は薄味の料理、煮干し出汁は濃い味の料理と使い分けますが、
お好みで使い分けても良いです。
鰹出汁
一般的に、鰹出汁を摂る時には、昆布を加えて旨味をプラスします。
正式には鰹出汁には1番出汁、
2番出汁(1番出汁をとった後の昆布と鰹節を再度煮出してとったもの)があり、
1番出汁は、お吸い物や、茶碗蒸しなど、香り良く上品な薄味の料理に。
2番出汁は、濃い味、濃い色のお料理にと使い分けます。
ただ、よほど良質な昆布や鰹節でないと、風味の良い2番出汁はとれません。
材 料 (3カップ分)
・昆 布(5〜7センチ四方) 1枚
・鰹 節 20グラム
① 昆布はなるべく黒くて身の厚いものを選び、5〜7センチ四方に切ります。
汚れが気になる場合は、乾いた布巾でさっと拭くぐらいにしましょう。
表面の白く粉っぽいものは旨味成分なので洗い落とす必要はありません。
② 鍋に水3カップと昆布を入れます。
時間がある場合は、このまま30分から一晩浸してふやかし、
十分に旨味を引き出しましょう。
③ 昆布を入れた鍋を弱火にかけ、
直前(煮立つ表面にブツブツと小さな泡が立つ状態)に昆布を取り出します。
昆布は長くにると滑りが出て、濁った出汁になってしまうのでご注意を。
④ 昆布を取り出したら直ぐ、鰹節を一度に加えます。
袋などから振り入れると、湯気で鰹節が待ってしまうので、
手でしっかり握っていれるようにしましょう。
⑤ そのまま置いて、鰹節が沈むまで待ちます。
そうする事で、十分な旨味が出ます。
⑥ 沈んだら直ぐに、別のボールや鍋で受けた目の細かい万能こし器に静かに開けて
こします。
保存は、完全に冷めた状態から密閉容器に入れ、冷蔵庫へ。
2日以内に使い切りましょう。
・昆布と鰹節の保存方法
出汁を摂る度に大きい昆布を取り出して切るのは面倒なので7〜8枚にまとめて切り、
保存瓶などに入れてストックしておくと便利です。
瓶は出来れば冷蔵庫内で保存するのが望ましいですが、
入りきらない場合は温室保存でも構いません。
残りの昆布は冷凍用パックに入り切る大きさに切って入れ、冷凍庫で保存しましょう。
鰹節は、風味が落ちるのが早いので少量ずつ買い求め、早めに使い切りましょう。
保存は、保存瓶や密閉容器などでします。
また、冷凍用パックに入れてフリージングしておくと風味の低下を防ぐ事が出来ます。
煮干し出汁
味噌汁や、しっかり味の煮物(肉じゃが、筑前煮など)と相性の良い出汁です。
煮干しの頭と腹わたをきちんと取っておけばだし汁が生臭くなりません。
昆布を入れて、更に旨味を加えただし汁に仕上げます。
材 料 (3カップ分)
・昆 布(5〜7センチ四方) 1枚
・煮干し 12尾
① 煮干しは銀色に光、形がしっかりした艶の良いものを選びましょう。
まず頭を折って取ります。
② 指先で黒っぽい腹わたの部分を千切るようにして取ります。
頭と腹わたを取り除くと、出汁を取った時に苦みや、生臭みが出ません。
③ 頭を取ったところから身を縦に裂きます。
④ 出汁の何回分かの煮干しをまとめて下拵えし、瓶に入れて蓋をして保存します。
出汁をとる時、その都度下拵えをしなくて済むので便利です。
煮干しは常温で2週間以上置くと、脂が回って脂臭くなり、
風味が悪くなってしまうのでご注意を。
⑤ 鍋に水3カップと煮干し、昆布を入れます。
時間がある場合は、このまま30分〜一晩置いてふやかし、
ゆっくりと旨味を出しましょう。
朝の味噌汁には、夜、休む前に浸して置くと良いでしょう。
⑥ 鍋を中火にかけます。
煮立つ前に、煮干しがゆらゆらと動かない程度に火を止め、
あくをすくい取りながら2〜3分煮て旨味を出します。
⑦ 冷えお止めて、別のボールや鍋で受けた万能こし器にあけてこし、
出汁を取ります。
鰹出汁と同様、2日以内に使い切るようにしましょう。
インスタント出汁(だしの素)を使う時のポイント
時間がない時などに、手軽で便利なインスタント出汁。
顆粒や、液体のだしの素は、
風味を生かすための仕上げに加えるのが美味しくするコツです。
味噌汁であれば、味噌を加える直前に加えて溶かし、
煮物であれば、使う分量を半分に分け、
煮始める時と、仕上げの2回に分けて使います。
また鰹や煮干しの粉末が小袋に入ったティーパック式のものがあります。
これは調理途中に加えるのではなく、
調理に取り掛かる前にだし汁を作っておくタイプです。
だし汁をこす手間が省け、手軽に本格的な出汁をとる事が出来るので便利です。